ラノベ読書録/ストライク・ザ・ブラッド2

 例えば『ストライク・ザ・ブラッド』のタイトルが『お前の血を吸わせてくれッ!』だったら……。こ、これは立派にラブコメ作品としても通用するやないか、工藤!
 とかなんとか、そんな妄想を無駄に抱きながら読んでみた第2巻です。

 新キャラ・煌坂紗矢華を加えての第2巻、大変おいしゅうございました。主人公・暁古城のリア充っぷりに「さすが昨今のラノベ!」という万感の思いが募ります。
 いわゆるハーレムルートってやつですな。世の中には「ハーレムルート」なんて「源氏物語」の時代から存在する手垢のついた類型だとおっしゃる方もいるかもしれません。
 しかし、それは違うと私は思います。
 ハーレムルートなんて、ギリシャ神話の時代からありましたよ?(笑)

 というかもう、世に存在する物語自体が、神話だとか古典文学の影響を逃れられないのだと思うのですよ。
 例えば、主人公が何らかの試練や苦難に立ち向かい、それを克服していくなんてのは神話の時代から存在しています。例えば、日本神話でいえばスセリヒメを嫁にしようとしたオオクニヌシが、彼女の父であるスサノオにやたら課題を出されるとか。

 そう意味では、ライトノベルって神話という通過儀礼を描いた物語の復刻版なのでしょうね。
 通学電車の中で気軽に読める神話。それがライトノベルが潜在的に担っている機能なのやもしれません。

 第2巻でも、登場人物はこれでもかというぐらいに試練に遭遇します。舞台となる人工島を揺るがすテロリストに、超兵器ナラクヴェーラ。
 そんな脅威に対して、キャラクターたちが己の持てる力を振り絞って立ち向かう。
 よく言えば王道。悪く言えばありきたりな物語ですが、それを過不足なく描いてくことって名人芸だと思います。
 そういう意味では、プロの物書きって一種の職人なんだなあと深い感慨を抱かずにはいられません。