ラノベ読書録/ストライク・ザ・ブラッド5

 これは、悪い魔女を倒す話です。
 もう少し詳しくストーリーは、こんなカンジです↓

「監獄結界からの脱出を果たした、仙都木阿夜と六人の魔導犯罪者たち。彼らの目的は“空隙の魔女”南宮那月の抹殺だった。阿夜の奸計によって魔力と記憶を奪われた那月は、幼児化した姿でなぜか浅葱に保護されることに。脱獄囚たちの襲撃で窮地に陥る浅葱の運命は?一方、重傷を負った優麻を救うため、古城と雪菜は巨大企業MARの研究所を訪れていた。そこで古城たちを出迎えた人物とは―?世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第5弾。」(あらすじ紹介より抜粋)

 相変わらずラノベ感が半端ないのうとか思いながら読みました。
 今回のテーマは『母と娘』だったと言えると思います。
 例えば、敵役である仙都木阿夜との戦いにその娘が挑むし、幼児化した南宮那月は浅葱をママと呼びます。
 そこで私が連想したのは、ユング心理学におけるグレートマザーという概念です。
「またユング心理学かよ……」というツッコミが飛んできそうですね。でも、好きなものは好きなんだからしょうがない!(開き直り)
 グレートマザーというのは元型の一つで、あらゆる物を育てる母親のイメージです。
 グレートマザーには光の面と闇の面があります。
 光の面は、子供に対して、慈愛に満ちてどのようなことでも許し育んでいく。
 逆に闇の面は、子供を束縛し飲み込んでいく。
 つまり、母親が持つ「包み込む」というイメージは、正負のどちらにでも傾くのです。
 仙都木阿夜というキャラは、実にわかりやすい闇の面を持つグレートマザーでした。だからこそ、彼女は主人公たちが乗り越えるべき壁として十分に立ちはだかっていたと思います。
 というか、ユング心理学という尺度に当てはめたとき、彼女の使い魔のネーミングにハッとします。
 その名も影(ル・オンブル)――。
『影』と聞いて、シャドウという概念が出てきたアナタは私と同じユング心理学マニアですw
 シャドウというのも、ユング心理学での元型の一つです。要するに自分の中の好ましくない一面。もっと拡大解釈すれば、自己実現を妨げようとする部分です。
 ライトノベルに出てくる敵役は、主人公の自己実現を邪魔する意味では、ことごとくシャドウと言えます。
 つまり、仙都木阿夜はグレーマザーであると同時にシャドウである。こんな解釈もできるのではないでしょうか。
 仙都木阿夜を倒すということは、シャドウに打ち勝つと同時に、母親を越える――つまり成長することを意味します。これはそういう物語なのです。
 そして、仙都木阿夜を倒した主人公たちに対し、彼らの教師である南宮那月は言うのです。
「よくやった、教え子ども!」
 ――と。
 師である人物に認められるのは成長の証。物語を通して、主人公たちはまた一つ大きくなれたようです。