情報技術の目指す先

 共感したいという思いは、人としての本能なのかもしれない。そんなことを『ツイッターで学んだいちばん大切なこと』(著:ビズ・ストーン)を読みながら思いました。
 本書では、Twitterの共同創業者であるビズ・ストーン氏がTwitter創設にいたる経緯や、Twitterを去った後のことを語っています。
 Twitter創設の経緯などは本書に譲り、ここでは私の拙い読書感想文などを綴っていきます。

 Twitterといえば、今や知らない人の方が少ないであろう情報サービスです。個人的なつぶやきを投稿するのみならず、企業や行政団体が広報に利用するなどの使われ方もしています。あるいは、アラブの春に代表される政治的な運動にも広く利用され、その影響力は無視できないものとなっています。

 様々な積み重ねの結果、無意識のうちに人は史上もっとも高度につながった時代を迎えているとストーン氏は述べます。その上で、何のために人間は広大なネットワークを気づいているのかと問います。
 ほとんどの人はそんな哲学的なことを考えてフォローボタンを押すわけではありません。しかし、改めて問われると答えは出てきません。
 これについてストーン氏は、以下のように語ります。

人間は基本的に善だ。僕らがつながるのは、お互いに人の力になるためだ。協力し合うためだ。それ以上にいい理由があるだろうか?

 これを理想論とか綺麗事と笑う人もいるかもしれませんが、私は好きな考え方です。
 もちろん、世の中には悪人もいるし、おかしな人もいる。ひねくれている人もいるし、頑固な人もいる。
 それでも、人に親切にすればいい気分になるはずです。
 情報技術は本来、そういう人の中に眠る善意を回していく手段であるべきです。

 現在は情報技術が世界を覆い、人が人としてのアイデンティティを見つけるのが難しい時代です。仕事のありかた一つ例にとってみても、次々に機械化が進みわざわざ人が働かなくてはならない場面は激減していいます。
 だからこそ、これからの時代は人が人であるとはみたいな哲学的な命題が突きつけられる気がします。
 人が人であるための第一の条件は、人とつながっていることです。孤独は人を狂わせます。
 アルゴリズムが光の速度で進歩する時代に、人が人に共感できる力をどうやって育むか。それが情報技術の真の課題なのだろうと、本書を読みながら思いました。

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