高校で留年したらやること

 以前、高校卒業後に母校に遊びに行ったとき、私は親しかった先生からこんなことを言われました。
「お前が高校生だったとき、もしも学校でタバコを吸っていたらどうしようかと思った」
 その先生はユーモラスな人ではありましたが、生徒指導はきっちり行う先生でした。
 通常の生徒であれば喫煙が発覚したらそれが校外校内問わず、その先生ならば厳しく指導されていたことでしょう。停学か、あるいは普段の素行によっては退学もありうる話かもしれません。
 にも関わらず、私が仮に喫煙をしていたら対処に困ったと言うのです。さて、それはどうしてでしょうか? ちょっと考えてみてください。

 ――シンキングタイム!

 さて、『なぜ、筆者がもしも喫煙すると高校の先生は困ったか』という問題の答えは『筆者は成人を過ぎても高校生をしていたから』です。いくら校内であっても成人している以上は生徒であっても法律上は喫煙がOKなはずです(もっとも職員室の隣にあった喫煙コーナーに限りますが)。
 ちなみに私が通っていたのは全日制の普通科高校。定時制の高校では十代の頃に高校に通えなかったからという理由で成人されてから高校生になったからもおられます。しかし、私の場合は、成人を迎えた高校生は周りにいません。私だけでした。

 どうして、そんな状況になったかと言えば、私が留年を繰り返し、五年間も高校生をやっていたからです(笑) 高校一年生を二年間、高校二年生も二年間、高校三年生は一年間だけ。そういうわけで足かけ五年です。
 とはいえ、別に五年間も高校生をやっていたこと自体を私はビターだと思っていません。様々な年代の人々の『同級生』になれたのは、私の人生観や価値観を大きく変えました。年下の同級生がいるのは言わずもがな、年下の先輩までできました。中学では後輩だった人が、高校では同級生になるという愉快な現象も起きたりもしました。
 しかし、高校留年に関して私には大きな心残りがあります。私には成人の高校生として、一つやり逃してしまったことがあるのです。

 それは成人式に出ることです。

 これは本当に後悔しています。だって高校生の癖に成人式ですよ? こんな面白いシチュエーションどんな人に降りかかるでしょう。あれはきっと神が与えたもうた素敵な思い出作りのチャンスだった……。
 ちなみに成人式に出なかった理由は『高校生の癖に成人式なんて恥ずかしい』と思ったのが六割、スーツを持っていなかったというのが四割です。
 なので、この記事を読んでおられる方で、成人を迎えた高校生がおられたら是非成人式には行ってください。行かないと後悔します。人生のバッターボックスに立ったら見逃し三振だけはしてはいかんのです。

 ちなみに選挙権は持っていたのでちゃんと投票にはいきました。投票所に行くほどには意識の高い系な高校生でした。

 では、成人を迎えてはいないとしても高校で留年しちゃったという方に、おせっかいながらアドバイスを。
 私は高校二年生(二年目)では、初日から周りに年齢が違うことがバレていました。自分から言ったつもりはないのに人の噂とは怖いものです。クラスでの自己紹介を前にして、どうも私の素性が割れていたようなのです。
 年齢の事を隠して過ごしてみたいなあ、と緩いことを考えていた私には衝撃的でした。とはいえバレているなら、年齢を隠しても仕方がないと私は判断。クラスでの自己紹介でみんなと年齢が違うのを告白する事としました。
 ですが、普通に年齢を告白したらちょっと刺激が強すぎます。そして何より面白くない。
 なので、私は年齢ではなく、生まれた年の干支をカミングアウトしてみました。
 そうしたら、これが予想外に受けまして、何とかクラスに打ち解けるきっかけとなりました。私はあの瞬間が人生のターニングポイントだったと思っております。

 むむう、なんかプチ自慢(?)臭くなっていますね。申し訳ないです。

 私が言いたいのは『留年したら干支をカミングアウトしろ』ということではありません。留年してもユーモアは忘れてはいけませんということです。『留年したから自分だけが不幸だ』なんて考えていたら道は開けません。
 また、人生には色々な困難が降りかかるでしょうが、その際にもユーモアは絶大な力を発揮するかと。

 生きていれば、周囲の平均からズレてしまうこともあるでしょう。それは留年だったり、赤点だったり、コミュ力のなさだったり、持病だったりと、人それぞれです。
 しかし、どんなことが起きてもそれは自分の人生だし、それが自分の人生です。
 嵐の日でも、凪の日でも、豪雨の日でも、日照りの日でも、それでも人生にイエスと言う。それが私の見つけた高校で留年したらやることだったりします。

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