キャラクターを悩ませる

 キャラクターを悩ませると、そのキャラクターの物語が始まります。
 物語のキャラクターは、大なり小なり悩みを持っています。「強くなりたい」と悩むキャラクターはいかにして強くなっていくかが物語になります。「恋人がほしい」と悩むキャラクターは恋人作りのために様々なアクションを起こすでしょうし、「事件の犯人がわからない」と悩む探偵がいれば推理物語の始まりです。

コンプレックスと劣等感

 悩むということと密接に関わるものとして、コンプレックスや劣等感があります。
 コンプレックスと同じような意味で使われる言葉に劣等感があります。日常会話のレベルなら、どちらでも「自分の中の嫌な面」みたいな意味合いで通じますが、心理学の用語としてはこの二つは違う意味を持ちます。
 心理学用語としての劣等感とは、単純に「他者と比較して自分の劣っている部分への後ろめたい思い」を意味します。例えば「自分はテストでいつも赤点を取っているから学力に劣等感を持っている」という具合です。
 一方で心理学用語としてのコンプレックスとは、「自分の中に抱えている複雑な感情」を意味します。学力を例に挙げれば、いつもテストで高得点を出している生徒が学力にコンプレックスを持っていても不思議ではありません。「いつもテストで高得点を取っている。でも、今後成績が悪くなったら誰からも見向きされなくなるかもしれない」という具合です。
 コンプレックスには様々な種類があります

エディプスコンプレックス

 エディプスコンプレックスとは、精神分析家のフロイトが提唱した子どもが父親に対して抱く複雑な感情のことです。子ども(特に男児)にとって父親を越えるということは大きな課題となります。
 エディプスコンプレックスがキーワードになる物語として映画『スターウォーズ』があります。この物語では強敵ダースベイダーの正体は主人公の父親です。そのため、主人公がいかに父親を乗り越えるか(=エディプスコンプレックス)が描かれているといえます。

カインコンプレックス

 カインコンプレックスとは、目上の人間(親、教師、上司など)の注目を独占したいという気持ちから、兄弟・姉妹や同年代の友人への競争心や嫉妬心から生じるコンプレックスです。
 カインコンプレックスを抱くと、学業や仕事の成績、容姿などの評価を気にします。

メサイアコンプレックス

 メサイアとは救世主を意味する言葉です。メサイアコンプレックスに陥った人は、自分は役に立たない人間だという気持ちが膨らみすぎて、逆に人助けをすることでそれを誤魔化します。
 メサイアコンプレックスが原因となっている人助けは「自分が救われたいから他人を救う」というものなので、往々にして善意の押しつけになりがちです。

劣等コンプレックス

 劣等コンプレックスとは、他者と自分を比較して自分の劣っている部分を気にすることをいいます。劣等コンプレックスは強く意識しすぎると対人接触が困難になったり、本人が潰れたりします。一方で適切に劣等コンプレックスと付き合うと、自分のコンプレックスをバネにして成長する場合があります。

優越コンプレックス

 優越コンプレックスとは、劣等コンプレックスの裏返しであるコンプレックスです。劣等コンプレックスでは自分の至らない部分に対して落ち込みますが、優越コンプレックスでは自分の至らない部分を偉そうに振舞うことで隠そうとします。
 例えば、自分には何の地位も権力もないのに、政治家や芸能人とコネがあるように振舞って自らが何かの権威であるかのように装うなどがこれです。
 あるいは、自分には何の技量もないのに、ネット上で名人を気取るのも優越コンプレックスの一種と言えるでしょう。

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