エニアグラムでキャラを描く

 エニアグラムとは、性格分類の手法の一つです。エニアグラムでは人間の性格を9つのタイプに分類します。その上で、それぞれのタイプの特徴やストレス時・安静時の行動や、個性の生かし方などを分析していきます。
 この記事では、9つのタイプの特徴をマンガやアニメのキャラクターを例に出しながら解説していきます。

タイプ1(完璧主義者)

 タイプ1(完璧主義者)は、文字通り与えられた課題を完璧にこなすことにエネルギーを注ぐタイプです。このタイプの人々は完璧を目指すために常に努力します。しかし、細部にこだわりすぎるあまり「木を見て森を見ず」になる場合もあります。
 イメージとしては「のだめカンタービレ」の千秋真一がこのタイプでしょう。作中で彼は、自らが指揮するオーケストラのメンバーに完璧な演奏を要求します。また、彼自身も最高の作品を作り上げるために努力を怠りません。しかし、完璧を求めすぎるあまりオーケストラのメンバーにきつくあたりすぎてチームとしてのまとまりが損なわれる事態に陥ることもあります。

ストレス時:悲観的になる

 タイプ1がストレスを感じるとタイプ4(芸術家)のマイナス面が出てきます。タイプ4は繊細な感覚の持ち主ですが、それゆえに悲観的になりがちです。タイプ1の人々もストレスが処理できないと置かれた状況を悲観的に解釈しはじめます。例えば、「のだめカンタービレ」の千秋真一は、様々な場面で悲嘆にくれます。「オーケストラのメンバーが完璧な演奏をしないから真っ当な評価が得られないに違いない」「自分は飛行機恐怖症だから海外へ行けない。だから世界的な指揮者になれない」などのように考えます。

このタイプの課題:今を楽しむ

 タイプ1の人々にとっての課題は今を楽しむことで、タイプ7(楽天家)の態度から学べます。タイプ7は物事を楽しむ、楽しいことを考え出す天才です。
「のだめカンタービレ」の千秋真一でいえば、完璧さを求めるのをやめて音楽を楽しむことにフォーカスすることで最高のパフォーマンスを発揮する場面が多々あります。
 例えば、練習の際に完璧な演奏を押し付けて萎縮させていたオーケストラメンバーに対し、吹っ切れた後に「俺たちSオケの初舞台、楽しもう!」と声をかけるというシーンがありました。
 タイプ1のキャラクターの課題は、真面目さの際にある今を楽しむという感覚にあるのです。

タイプ2(援助者)

 タイプ2(援助者)は、困っている人を見捨てておけないタイプです。人から頼まれると断ることが苦手です。困っている人を助けることは基本的には素晴らしいことです。しかし、それが過保護になって相手の自立を妨げたり、頼まれごとを抱えすぎて自らのキャパシティを越えて潰れてしまうなどの問題も抱えています。
 このタイプのキャラクターはドラえもんをイメージするといいでしょう。作中でドラえもんは、困っているのび太にひみつ道具を貸してあげます。タイプ2はとても慈悲深いです。しかし、ときにのび太の自業自得で生じている問題なのにひみつ道具を与えてしまい、彼の成長を妨げてしまう場合もあるのが玉に瑕です。

ストレス時:支配的になる

 タイプ2の人がストレスを受けると、タイプ8(支配者)の悪い面が顔を出し、相手を支配しようとし始めます。
 相手を支配する方法は様々です。
 直接攻撃的な言動を選ぶ場合もありますし、「どうして私はこんなにあなたに尽くしているのに、あなたは応えてくれないの!?」という具合に相手に後ろめたさを植え付けようとすることもあります。
 タイプ2の人は他者に親切にして感謝されることを喜びとします。逆に言うと、他者に親切にしたのに感謝されないと不快に思います。これによりストレスが溜まり、いつか爆発したりするのです。

このタイプの課題:自分の人生を生きる

 タイプ2の人々は自分を殺してでも人に尽くすことが少なくありません。この生き方は献身的というよりは依存的であるといえます。タイプ2の人は自らを「自分なんて取るに足りない人間だ」と侮っている場合があります。それでは健全な生き方はできません。
 タイプ2の人が学ぶべきはタイプ4(芸術家)の態度です。タイプ4の人は、良くも悪くも「自分は特別」という信念を持っています。
 タイプ2のキャラクターが抱えている課題とは自分の価値を他者に依存しないで見出すことにあるのです。

タイプ3(達成者)

 タイプ3の人々は、高い目標を持ち、最高のパフォーマンスを目指します。そのために自らの属する集団を鼓舞しモチベーションを高めます。
 アニメのキャラクターでいえば「ルパン三世」の峰不二子がこのタイプに該当すると言えるでしょう。彼女はターゲットに定めたお宝を手に入れるために様々な手段を繰り出します。ときにはルパン一味などの仲間と連携し、目的を達成します。
 ただし、このタイプは下手をすると目的を優先するがあまり仲間を踏み台にしてしまいます。例えば、峰不二子がお宝を前にあっさりとルパン三世を裏切るようなものです。

ストレス時:課題を放り投げる

 タイプ3の人々が強いストレスに晒されるとタイプ9(調停者)の悪い面が顔を出し、課題に対して投げやりになります。あまりにも高すぎる壁にぶち当たるとたちまちやる気をなくしてしまいます。立ち向かうべく課題をいつまでも引き伸ばしグズグズしたり、建設的とはいえない堂々巡りに陥ります。

このタイプの課題:忠実に課題に取り組む

 タイプ3の人々は課題や他者に対して忠実に取り組むことが課題となります。これはタイプ6(堅実家)の長所から学ぶといいでしょう。健全なタイプ6の人々は、与えられた課題や他者に対して誠実な態度をとります。
 また、タイプ3の人々は自分を優秀な人材だと相手に思ってもらうために身の丈以上の自分を振舞おうとします。しかし、タイプ6の人々は必要以上に自らを取り繕うことはしません。
 タイプ3のキャラクターの課題は、自分の見栄のためではなく他者のためのパフォーマンスを発揮することにあります。

タイプ4(芸術家)

 タイプ4(芸術家)は自らが特別であるという点に誇りを持っています。自分の中の特別さを表現するために後の世に残る芸術作品を作り上げる人もいますし、単に高飛車に振舞うだけの人もいます。
 イメージとはしては「ドラえもん」のスネ夫みたいなキャラクターです。スネ夫の場合は自分が特別であることに誇りを持っています。ただし、普段の彼は親や親戚が有名人だったり、有名人の知り合いであるのを自慢しているだけだったりしますが。
 あるいは「ムーミン」に登場するスナフキンもタイプ4と言えるでしょう。スナフキンの場合は芸術家肌で自由と孤独、音楽を愛します。変人とも思われる態度をとったりもしますが、彼の言葉はそれまで人々が気づかなかった新しい視点を与えてくれたりします。

ストレス時:自己否定に陥る

 タイプ4の人がストレスに見舞われると、タイプ2(援助者)のマイナス面が顔を出し、自己否定に陥ります。この場合、自分がひどく無力で役に立たない存在であるという観念にとらわれ、臆病になるのです。
 例えば、映画版のドラえもんではこの状態のスネ夫をよく目にします。敵に囲まれて大ピンチという状況において真っ先に逃げたり泣き言を言い出すのは彼の場合が少なくありません。

このタイプの課題:きっちりと仕事をこなす

 タイプ4の人々が活躍する場面は、与えられた仕事や役目をきちんとこなしているときです。スネ夫を例に出せば映画『のび太の宇宙小戦争』で、大軍勢で襲撃してくる敵に一端は弱腰になるものの、最終的には勇気を奮って敵と対峙します。
 タイプ4の人が学ぶべきはタイプ1(完璧主義者)の態度です。タイプ1の人々は自らの仕事や役目を全うしようと努力を惜しみません。タイプ4のキャラクターの課題とは「特別な自分」にあぐらをかかずに、よりよい結果を求めて最大限の力を発揮することなのです。

タイプ5(研究者)

 タイプ5(研究者)は、情報の収集・分析の達人です。冷静に状況を見定め、客観的に判断していきます。アニメのキャラで例えるなら「コードギアス」のルルーシュがこのタイプと言えるでしょう。天性の策略家である彼は、数々の知略を用いて強大な敵に勝利を収めます。
 ただし、タイプ5の人はきちんと裏の取れていない情報は喋りたがりません。そのため周りからは寡黙な人と思われがちです。また、情報の収集・分析が目的化してしまい、それを出し惜しみすることが多いのが問題化することもあります。

ストレス時:自暴自棄に陥る

 タイプ5の人が多大なストレスを受けるとタイプ7(楽天家)の悪い面が顔を出し、場当たり的な行動を取るようになります。タイプ5の人は、一つ一つの情報を丁寧に吟味しますが、キャパシティを超えると何もかも投げ出してしまうのです。
 ルルーシュを例に挙げると、これまで守るべきだと思っていた妹によってゼロを否定され、活動の意味を見失ってしまう場面があります(『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』第7話「棄てられた仮面」参照)。
 ここまで極端でなくとも、タイプ5の人がストレスに晒されると何もかもが嫌になって自暴自棄を起こしてしまうのです。

このタイプの課題:自分の意見を主張する

 タイプ5の人にとっての課題は自分の意見を主張することです。元来タイプ5は情報の扱いに長けていますが、それを表現するのを億劫に感じます。しかし、情報はきちんとした形で運用したり、自分の意見を通すために使わなければ意味をなしません。
 その点でタイプ5の人々はタイプ8(支配者タイプ)の人々の態度から学ぶべきです。タイプ8の人々は自分の意見を主張することも、それにより誰かと敵対することも恐れません。
 彼らのように我を通せるかどうかがタイプ5のキャラクターの課題となるのです。

タイプ6(堅実家)

 タイプ6は、与えられた課題を誠実にこなしていきます。無謀な冒険などはせずに、堅実な道を選ぶため非常に安定したパフォーマンスを発揮します。
 アニメのキャラクターでいえば「サザエさん」のマスオさんがこのタイプと言えるでしょう。ごく普通のサラリーマンである彼ですが、平凡さを健全に受け入れて家族や会社のために誠実な態度で振る舞います。
 堅実であることがこのタイプの人々の長所であり、囚われでもあります。安定しない状況では人一倍の不安に駆られ、どうしていいのか当惑することも少なくありません。

ストレス時:下手な策をめぐらせる

 強いストレスを受けたタイプ6の人々は、心の安定を取り戻そうと保身に走り出します。
 その際にタイプ3(達成者)の悪い面が顔を出します。下手な策を巡らせたり、他人を踏み台にしたりすることがありうるのです。しかし、タイプ6は根っこの部分が堅実であるため奇抜な策略を巡らせることには不向きです。そのため、誠実な態度で臨んだ方がダメージが少なくて済むのに、下手に取り繕って被害を拡大させることもありえます。

このタイプの課題:リラックスする

 タイプ6の人々にとっての課題は、不安定な状況においてもリラックスすることです。これはタイプ9(調停者)から学ぶといいでしょう。健全なタイプ9の人々は、どんなことが起きても慌てることなく、心を平静に保つことができます。
 タイプ6のキャラクターが自らの課題に遭遇するのは予期せぬトラブルに見舞われたときです。トラブルに対して必要以上に慌てず、自らが本来持つ誠実さを発揮できるかがタイプ6のキャラクターを輝かせるカギとなります。

タイプ7(楽天家)

 タイプ7(楽天家)は、自由を愛し、楽しいことを考え出す達人です。天才肌でどんなことでも卒なくこなします。
 マンガのキャラクターでいえば、「のだめカンタービレ」の野田恵を想像するとわかりやすいでしょう。彼女はいつでも自由に振る舞い、楽しいことには目がありません。天才肌で彼女のピアノ演奏には誰もが舌を巻きます。
 しかし、天才肌であるがために黙々と努力するのが苦手で、基礎技能や知識を学ぶことを敬遠しがちです。そのため一度はじめたことを無責任に投げ出すことも少なくありません。

ストレス時:頑固になる

 タイプ7が過度のストレスを受けるとタイプ1(完璧主義者)の悪い面が顔を出し、頑固な態度を取り始めます。特にタイプ7は自由であることへのこだわりが強く、強引に努力や勉強を押し付けると「私はこのままでいいんです!」と怒り出します。こうなるとタイプ7の人々に自発的な行動を促すのは困難です。

このタイプの課題:洞察力と論理性を手に入れる

 天才肌であることはタイプ7の人々にとって長所であり弱点でもあります。前述の通り努力が苦手な感性の人です。しかし、基礎なしの技術は安定性に欠け、常に最高のパフォーマンスを発揮することが難しくなります。
 タイプ7の人々はタイプ5(研究者)の情報を収集・分析する能力から多くのことを学べます。ここでいう情報とは学問のような体系化された知識も含みます。
 例えば「のだめカンタービレ」の野田恵を例に考えてみましょう。彼女は留学したパリのコンセルヴァトワール(音楽学校)で他の生徒の技量の高さに打ちのめされます。そんな彼女が成長するために必要だったのはクラシック音楽についての歴史など基礎知識を学ぶことでした。
 天才肌のタイプ7のキャラクターにとっての課題とは、自らの感性を下支えする基礎を作ることにあるのです。

タイプ8(支配者)

 タイプ8(支配者)の人々は英雄にも独裁者にもなりうる気質を持っています。人々のために傷つくことを恐れずに前へ進めば英雄として崇められます。逆に自分の欲を満たすためだけに行動すれば独裁者としてしっぺ返しを受けることになります。
 マンガのキャラクターでいえば「ドラえもん」のジャイアンを想像すればわかりやすいでしょう。テレビ版では威張り散らしてお山の大将を気取っている彼が、映画版ではどんなピンチに陥っても仲間を見捨てない真の漢になります。
 どんなタイプであっても自分本位に行動すれば最終的に手酷い目を見ますが、タイプ8ではそれが顕著です。タイプ8の人々は傍若無人に振舞うエネルギッシュさを持っています。しかし、そんなことをすれば周りから反感を買い、挙げ句の果てに総スカンを受けたり、反逆や復讐の刃を受けることになります。

ストレス時:自分の世界に閉じこもる

 タイプ8の人々はストレスを受けると自分の世界に閉じこもり、誰の意見も受け入れなくなります。これはちょうど他者との深い関わりを避けるタイプ5(研究者)の悪い面に似ています。自分の考えを自己完結させるということは、自分勝手に振舞うことにつながっていきます。こうなってしまっては周りの人々からすればたまったものではありません。結果として横暴に振舞うタイプ8の人を打倒すべく周りの人々は一致団結するのです。

このタイプの課題:他者の助けになる

 タイプ8の性格が最大限に生かされるのは、タイプ2(援助者)のように他者を助けようとするときです。タイプ8の人々はどんな理不尽にも億さずに立ち向かっていく勇気を持っています。そのため強気を挫き弱気を助けるということも可能となります。まさに映画版ジャイアンです。
 タイプ8のキャラクターの課題は、他者に対して献身的な態度がとれるか否かです。自分が属する集団を導いたり、ときには敵対する人々さえも味方に引き込めればタイプ8のキャラクターは輝くのです。

タイプ9(調停者)

 タイプ9の人々は、滅多なことでは慌てません。のんびりとした気性の持ち主で、悠然と振る舞います。
 アニメのキャラクターを例に出せば、「ドラえもん」ののび太がこのタイプと言えるでしょう。彼は常にのんびりとしています。がむしゃらになって努力するよりは、漫画を読んだり昼寝をすることを好みます。
 往々にして慌てずにのんびりとしているというのがタイプ9の短所となります。締切まで課題を放置して結局やらずじまい。結果のび太のように教師や親から怒られるなんて事態に陥ります。
 しかし、穏やかな気性を持つタイプ9はきちんと磨けば「誰の話でもきちんと聴く」「偏見の目で相手を見ない」「他者を理解する」という長所へと変わっていきます。これは博愛精神にもつながっていきます。
『のび太の結婚前夜』で「パパ! あたし、およめに行くのやめる!!」と行ったしずかちゃんに、彼女の父親はこう言います。

のび太くんを信じなさい。
 のび太くんを選んだきみの判断は正しかったと思うよ。
 あの青年は人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことができる人だ。
 それがいちばん人間にとってだいじなことなんだからね。

ストレス時:不安に苛まれる

 タイプ9の人々は、大きな葛藤に出会うとタイプ6(堅実家)の悪い面が顔を出します。タイプ6の人々は不安定な状況に置かれると強い不安に苛まれます。これと同じように、強いストレスに晒されたタイプ9の人々はリラックスできなくなり、普段以上に受け身で消極的な態度を取るようになります。

このタイプの課題:積極的に物事に取り組む

 タイプ9の人々はのんびりとした気性の持ち主であるため、自ら行動を起こすのが苦手です。放置すると怠惰で現実に無頓着な人間になりかねません。
 タイプ9の人々が学ぶべき相手はタイプ3(達成者)の人々です。タイプ3の人々は高い目標を掲げ、その実現のためにリーダーシップを発揮します。
 タイプ9のキャラクターにとっての課題は、自分の能力を誇りに持ち、積極性を発揮していくことにあります。

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