帰納法

 帰納法とは、観察や調査、経験などによって得られた事実を総合して、それらに共通するものを求め、そこから一般的な結論や法則を引き出す方法です。
 帰納法を根拠として書いた文章には、例えば以下のようなものがあります。

【例文】
 私が人生で見たことのあるカラスは、すべて黒かった。他の者に聞いても、同じ答えが返ってきた。事典で調べても黒いカラスしか載っていない。したがって、カラスという生き物は、すべて黒いのだ。

 帰納法は、個別の事例から一般的な事例を導き出す方法です。実験や観察を積み重ねていく自然科学はこの方法によります。

帰納法の注意点

 帰納法を使用する際に、まず注意したいのが、結論に不都合な事実があっても切り捨てないようにすることです。例えば、十匹のカラスを観察した結果すべてが黒かったけれど、十一匹目は白かったとしましょう。この場合、「白いカラスなどいるはずがない。そんなものは突然変異であり例外だ」と事実を切り捨ててしまうと、正確な結論とは言えません。
 また、帰納法を用いて、説得力のある結論を導く場合、結論を支えるに足りる事例が、量・質ともに必要になります。少数の事例だけで判断することを「過度の一般化」といいます。過度の一般化の例には「一人目の彼女も、二人目の彼女も浮気をした。だから、女はみんな浮気をする」などあります。この場合、検証する人数が少なすぎますし、浮気された当人が退屈な人間だったから浮気されたのかもしれません。にもかかわらず、「女はみんな浮気をする」という結論に走るのは浅はかです。
 論理的な思考をする際は、このような点に注意しましょう。あるいは、あまり頭のよくないキャラを描く場合は、意図的に破綻した帰納法をさせてみるのも一つの手かもしれません。

帰納法の限界

 ところで、完璧な帰納法などありうるのでしょうか? 答えはノーです。
 前述の「カラスはみな黒い」という結論を例にとってみましょう。すべてのカラスが黒いという結論を出すためには、世界中のカラスを確認する必要があります。なにしろ、一匹でも黒くないカラスがいれば、その結論は間違っているわけですから。
 しかし、世界中のカラスを一匹残らず観察することは現実的に不可能です。帰納法による推論には限界があることを覚えておきましょう。

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