句読点の打ち方

 句読点とは「句点」と「読点」の総称です。もっと噛み砕いて言えば、文章の区切りのマルやテンのことです。
 マル(。)が句点で、テン(、)が読点です。これを踏まえて、以後話を進めるので混乱しないように頭にとどめてください。

句点の打ち方

 まずは、小説における句点(。)の打ち方を確認していきましょう。
 句点は文字通り句をつくるための記号です。句とは、いくつかの単語が連なって一つのまとまった意味をもつ文をいいます。
 なので、定義の上では最後に句点が打ってあれば、どれだけ文字数の多い少ないに限らず句になります。
 例えば、

  • 大剣を持った黒い髪の少年が、口から火を吐く獰猛なドラゴンを、華麗な剣技で一刀両断しようとしたが、突如現れた陰鬱な表情をした謎の男の魔法によって、それを阻まれた。

 という複数の単語の連なりも句ですし、

  • なるほど、わからん。

 という二つの単語しかなくても句になります。

 次に、会話文における句点の打ち方を確認しましょう。
 では、問題です。次に上げる三つの例のうち、標準的な小説での句点の打ち方はどれでしょう?
①「おはようございます。今日は早いですね」
②「おはようございます。今日は早いですね。」
③「おはようございます。今日は早いですね。」。
 正解は①です。学校での作文の指導では②のような書き方を教わるかもしれませんが、小説では①のような書き方が標準的です。

 出版業界では次のような句点の打ち方が一般的です。

  • 会話の場合は「 」の外側に句点を打たない
  • 会話以外の場合で、「 」や( )などで文が終わるときは句点を打つ
  • 「 」や( )などのなかに入る最後の文については句点を打たない
  • 「――」や「……」で終わる文には句点を打つ
  • 箇条書きには句点を打たない

読点の打ち方

 読点(、)には、句点よりも打つ決まりがあいまいです。個人のセンスによって打ち方が決まる場合が多いです。
 しかし、読点の打ち方で文章の意味合いが変わってしまう場合もありえます。
 例えば、

  • 少年はあくびをしながら勉強する少女を眺めていた。

 という文章があったとしましょう。
 ここで問題です。あくびをしているのは、少年でしょうか? それとも少女でしょうか?
 この文章だと、区切り方によってどちらとも解釈できます。それでは読者が混乱してしまいます。そこで読点の出番です。

  • 少年は、あくびをしながら勉強する少女を眺めていた。→あくびをしたのは少女
  • 少年はあくびをしながら、勉強する少女を眺めていた。→あくびをしたのは少年

 このように、読点を使うと言葉と言葉を分けることができます。

読点を打つタイミング

 読点を打つタイミングには、例えば以下の場合があります。
①文の主題が長くなった場合
 【例文】面白い小説を書くということは、とても難しい。
 【例文】長編小説を書き上げるという作業は、多くの時間を要する。
②文を中止する場合
 【例文】少年は顔色を変え、慌てて逃げ出した。
 【例文】少女は黙り、少年から顔を背けた。
③並列な語句を並べる場合
 【例文】しなやかな黒い髪、大きく魅力的な瞳、艶やかな唇。
 【例文】轟く銃声、穴の空いた壁、立ち込める硝煙の臭い。
④条件や理由を説明して意味を限定する場合
 【例文】もしこの戦いを生き残ったら、俺は恋人にプロポーズをする。
 【例文】将来の役に立ちそうにないので、勉強なんてしたくない。
⑤途中でいくつかの言葉を飛び越えて修飾する場合
 【例文】うっかり、ラブレターを入れるべき下駄箱を間違えた。
 【例文】てっきり、君は彼女のことを好きだと思っていたのだがね。
⑥接続詞やその働きをする連語の後
 【例文】しかし、少年は申し出を断った。
 【例文】そうはいっても、男の力は圧倒的だった。
⑦感嘆詞の後
 【例文】ああ、どうしてこんなことになった。
 【例文】いいえ、それは爆発します。
⑧提示した言葉の後
 【例文】勇者の条件、それは五分だけ勇気が出せることだ。
 【例文】刑事の使命、それは一刻も早く犯人を逮捕することだ。
⑨修飾部分が長くなる場合
 【例文】中学時代に告白して見事に振られた、初恋の相手に出会った。
 【例文】下校時間がすぎて人気がなくなった校舎のような、気味の悪い沈黙。
⑩文を倒置する場合
 【例文】俺は叫んだ、彼女に向かって。
 【例文】ゆっくり振り返った、まさか彼女はここにいないはずだと思いながら。
⑪文の途中に主部をおいた場合
 【例文】友達も彼女もできなかった中学時代は、俺にとっての黒歴史だ。
 【例文】猫のようにしなやかな動作で、少女は宙を舞った。
⑫助詞を省略した場合
 【例文】俺の言葉、ちゃんと聞いていたのだろうか。
 【例文】事件の犯人、実は俺だったりする。
⑬読みの間を示す場合
 【例文】ふ、ふ、ふ、と不敵な笑みを浮かべる。
 【例文】な、な、なんだってー。
⑭リズムを強調したい場合
 【例文】鳴かぬなら、鳴かせてみせよう、ホトトギス。
 【例文】前向きに、駐車場にも、励まされ。
⑮言葉や考えの引用の範囲を明確にしたい場合
 【例文】ドイツの科学は世界一、と少佐は叫んだ。
 【例文】お前は以前、男女は平等であるべきだ、と言っていなかったか。
⑯仮名が長すぎて読みにくい場合
 【例文】わたしたちは、ばったりここで出会った。
 【例文】ひとりひとりがみな、とてもよくがんばった。
⑰文の意味を明確にする場合
 【例文】少年は、あくびをしながら勉強する少女を眺めていた。
 【例文】少年はあくびをしながら、勉強する少女を眺めていた。

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