文末表現

 まず、次の例文を読んでください。

【例文】
 私はこの店のクレープが大好きだ。学校帰りに、よく友達と一緒に食べにきたりします。中でもツナマヨの入ったクレープが一番美味しいです。ただし、あまりに美味しすぎて食べすぎてしまわないかが心配である。

 この文章のおかしなところはどこでしょうか。
 答えは文章の文末です。「だ」や「である」という硬い調子の文末と、「です」や「ます」という丁寧な印象を与える文末が混在しています。
 小説で地の文を書くときは「だ・である調」か「です・ます調」かのどちらかに統一するのが基本です。更に言えば、独特の雰囲気を演出したいなどの例外を除いては「だ・である調」を使うのが一般的です。
 したがって、上記の例文を書き直すと以下のようになります。

【例文】
 私はこの店のクレープが大好きだ。学校帰りに、よく友達と一緒に食べにきたりする。中でもツナマヨの入ったクレープが一番美味しい。ただし、あまりに美味しすぎて食べすぎてしまわないかが心配である。

日本語の文末は単調になりやすい

 更に、次の例文を読んでみてください。

【例文】
 俺はこの学校の生徒会長だ。生徒の学校生活をより良いものに改善するのが生徒会長に課せられた使命だ。そのためにはまず、生徒たちが学校生活に何を求めているかを知ることが必要だ。この俺が、この荒れに荒れた学校を変えてやるのだ。

 どうでしょうか。読んでいて、単調な印象を受けたかと思います。
 その理由は、各文の文末にあります。例文の文末はすべて「~だ」で終わっています。文末をすべて同じ終わり方にすると、読者に単調な印象を与えます。
 日本語で文章を書くと、どうしても文末はどうしても単調になりがちです。魅力的な文章を書くために、文末の表現は意識的に変化をつけましょう。

語り手の態度は文末で決まる

 日本語では、語り手の態度は文末の表現で決まる場合が少なくありません。
 例えば、

  • 俺は彼女のことが好きだ。
  • 俺は彼女のことが好きだった。
  • 俺は彼女のことが好きかもしれない。
  • 俺は彼女のことが好きなのだろう。

 これらの文は、途中まで同じ言葉を使っているのに、文末の書き方によって大きく印象が違っています。
 俺が彼女を好きなのは、今現在のことなのか、それとも過去のことなのか。あるいは、好きという気持ちは絶対的なものなのか、それともまだ確信が持てないのか。
 文末の表現を変えることにより、語り手の態度も変わってきます。読者にきちんと文意を伝えるためには文末表現には心配りが必要です。

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