文の長さと段落づくり

 一文をどれほどの長さに収めるかは、個人の感覚や、その文章で表現したいことにより大きく変わってきます。適切な字数を規定することは難しいです。
 しかし、一般論をいえば、文章は長くなるほどわかりづらくなります。素人が書いた文章なら尚の事です。
 ライトノベルの場合、文庫本の一行分(四十二字)を目安に文章の長さを調整するのがベターでしょう。気持ちとしては、一つの文で一つの情報を表現するくらいがいいと思います。

段落づくり

 一文の長さと同様に、一つの段落に使う文字や行の量も、文章の読みやすさに大きくかかわってきます。
 段落の構成によって、文章の風通しが変わってきます。あまりに改行が少ない文章は読者に圧迫感を与えますし、逆に改行ばかりではスカスカな印象を与えます。
 段落を変えるか否かを判断する基準としては、文の量や意味内容などの尺度があります。

パラグラフ・ライティング

 学術論文における文章作成の方法にパラグラフ・ライティングという考え方があります。
 パラグラフ(paragraph)と段落を同列に扱っても良いかは意見が分かれますが、ここでは一緒のものとして話を進めていきます。
 パラグラフ・ライティングで、段落の最初に一番伝えた情報をトピック・センテンスという形で提示します。次にトピック・センテンスを補足したり、具体例を説明するサブ・センテンスを同じ段落の中に書きます。
 次の例文がパラグラフ・ライティングの例です。

【例文】
 民主主義ではどうしても直接民主制に向かう傾向がある。つまり、主権者である民衆は、自分は政治的決定を直接的に行う権利をもつと考えがちなのである。こうして、より多くの者が決定に参加することは、それだけで望ましいことだと思わるようになる。

 上に例文では序文の「自分は政治的決定を直接的に行う権利をもつと考えがちなのである。」こそ筆者が一番伝えたいこと(=トピック・センテンス)です。その後ろに続く、「つまり、主権者である民衆は、自分は政治的決定を(略)それだけで望ましいことだと思わるようになる。」はトピック・センテンスを補足説明するためのサブ・センテンスになります。

 このような『一番伝えたいことを冒頭で提示し、その後ろに補足を加える』という手法は、私は有効だと思います。
 例えば、友達にご立腹している少年を書くとしましょう。

【例文】
 俺は、その友達と縁を切るべきだと思った。

 しかし、このような書き方をされても、少年が何故友達と縁を切ろうとしているかはわかりません。そこでこの文章に補足説明をつけてみたいと思います。

【例文】
 俺は、その友達と縁を切るべきだと思った。その友達は借りた金は返さないし、俺が好きだった女の子と交際まではじめやがったのだ。

 このように、言葉を重ねることで、「俺」と「友達」の関係が詳しく見えてきます。
 しかし、一番伝えたい情報を常に文頭に持ってこればいいかといえば、それは違います。一番伝えたい情報をあえて最後まで提示しないことで、読者にインパクトをもたらす効果が生まれることもあります。
 次はそんな例を見てみましょう。

【例文】
 その友達は借りた金は返さないし、俺が好きだった女の子と交際まではじめやがったのだ。俺は、その友達と縁を切るべきだと思った。

 この場合、友達と縁を切りたいという情報をあえて最後に提示することで、読み手にインパクトを与えています。
 言葉を使った段落でも、情報を提示する順番で印象が変わることがあります。文章を書くときは、どのように情報を開示すれば効果的かを考えて書いていきましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする