比喩的修辞

 比喩的修辞とは、比喩を用いた修辞法をいいます。
 比喩とは物事を、それと共通項のある別の物事に置き換えて表現する手法です。
 比喩的修辞を使うことによって、読者は表現を感覚的に意味を捉えられるようになり、それにより意味を深く理解できるようになります。

直喩・明喩

【例文】
・夕日は、まるで熟れた果実のように赤かった。
・少年は、風のように駆け抜けた。

「まるで」「のように」などの語句を使い、比喩表現であることを明瞭に示す方法を直喩・明喩といいます。

隠喩・暗喩

【例文】
・戦場を駆け抜ける戦士は一陣の風だった。
・家族という優しい宇宙が家で待っている。

「まるで」「のように」などの語句を使わないで、何かを例える方法を隠喩・暗喩といいます。

諷喩・寓喩

【例文】
① 朱に交われば赤くなる。
② 曲がっている木は切られない。

 例文①の「朱に交われば赤くなる」は、そのまま受け取れば織物などが染料によって赤くことを意味します。しかし、そこから想像力を働かせると「人間も織物と同じようなもので、周りにいる人間によって違う色に染まってしまう(影響されてしまう)」と受け取ることができます。
 例文②は、そのままの意味を取れば、曲がっている木は使い道が少ないから切ってもしょうがないという意味です。しかし、更に意味深長に捉えると、「人間も、曲がった木のように役立たずの方が、こき使われずに済むから長生きできる」という解釈ができます。
 このように、ある比喩を作り、その裏にある真意をほのめかす方法を諷喩・寓喩といいます。

提喩

【例文】
① 忙しくて手が足りない。
② 庭にいた気持ち悪い軟体動物を、塩をかけて退治した。

 上位概念を下位概念で、または逆に下位概念を上位概念で言い換えることを提喩といいます。
 例文①では、忙しくて足りなのは「人」です。それを「人」の一部である「手」という部分を使って表しています。これが上位概念を下位概念で言い換える場合です。
 例文②では、塩をかけて退治する対象(ナメクジ)を、「気持ち悪い軟体動物」という言葉を使って表しています。「ナメクジ」は「軟体動物」という全体の一部なので、これは下位概念を上位概念で言い換えたパターンになります。

換喩

【例文】
・満員電車の中では、背広や学生服がひしめきあっていた。

 満員電車の中に背広や学生服がひしめきあうわけがないので、これはサラリーマンや学生を比喩したものだとわかります。
 例文のように、物事の特徴、部分、付属物を取り上げて、その部分の全体や本体を表す方法を換喩法といいます。

擬人法・活喩

【例文】
・火山が怒りをあらわにした。
・居間で電話が叫んでいた。

 火山も電話も人ではありませんから、怒りも叫びもしません。よって、これらのものが比喩だとわかります。
 例文のように、人間以外のものを、人間の感情や動作を用いて例える方法を擬人法・活喩といいます。

擬物法・結晶法

【例文】
・人間は大人になると、社会の歯車の一つになる。

 擬人法とは逆に、人間を物のように例える方法を擬物法・結晶法といいます。

擬態法・声喩

【例文】
・どかーん、という爆発音が遠くから聞こえた。
・犬が「わん。わん」と吠えた。

 擬態語や擬声語を用いて、物事の状態や動作を音声的に表現する方法を擬態法・声喩といいます。

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