強調的修辞

 小説は一定の書体の文字で文章を表現しなければなりません。言いたいことを目立たせるために、フォントを大きくしたり太字や下線を引くことは行いません(極々一部の例外は除きますが……)。
 言いたいことを目立たせたい、あるいは読者にインパクトを与えたい場合に使用するのが強調的修辞です。

誇張法

【例文】
・その男は山のような巨体だった。
・地獄の鬼のような形相でこちらを睨みつけてくる。

 実際よりも極端に大きく(小さく)表現する方法を誇張法といいます。誇張表現の中でも、事実に対する認識を拡大し、極端な言い方で表現する技法は「極言」と呼ばれます。

倒置法

【例文】
・野党議員が与党議員を糾弾していた。その様子を見ていてい俺は思った。お前が言うな、と。

 叙述の順序を入れ替えて、言葉に勢いを持たせる方法を倒置法といいます。

感嘆法

【例文】
・でも、なんと感動的な光景なのだろう、と俺は口の中で言った。

 感動、詠嘆的表現を取り入れることで、強い印象を与えようとする方法を感嘆法といいます。

設疑法

【例文】
・どうして大学で単位を落としまくってしまったのだろうか。普段の講義が寝ていたことが問題なのか。それとも、毎日バイトに明け暮れていたことが問題なのか。

 自分には明白なことをあえて疑問の形で示して、読者の注意を引き付ける方法を設疑法といいます。

命令法

【例文】
・見よ、研究の成果により、我が国の技術は世界一にまで到達した。

 文法上の命令形を用いることで、文の勢いを強める用途する方法を命令法といいます。

反語法

【例文】
・誰のことも愛さなかった人生に、価値があると言えるであろうか。

 例文では筆者には「そんなわけはない」と続けたいという意図があります。「そんなわけはない」という結論を強調させるために、あえて、逆の質問をする方法を反語法といいます。

反言法

【例文】
・恋人に浮気をされて、それを許せるなんて、君はつくづく幸せな人間だね。

 自分が考えている非難するための言葉とは正反対となる褒め言葉使う方法を反言法といいます。

緩叙法

【例文】
・昨日、彼女とあーんなことや、こーんなことをした。

 遠回しな表現により、表面上はひかえめなカタチをとりながら、その実は大げさな表現よりも強調することを狙ったものを緩徐法といいます。
 緩徐法には「一重否定」(彼は賢くない、など)や「二重否定」(嬉しくないわけではない、など)の表現も含まれます。

連鎖法

【例文】
 私は必死になった。必死になったから成功した。成功したから今ここにいる。

 前の文の最後やその近くにある言葉を、次の文の最初やその近くで使用する方法を連鎖法といいます。

漸層法

【例文】
・彼の気持ちがわかるかい。わかるだろう。わかるべきだ。わからないなら、お前は人ではない。わかれ。
・彼はちゃんとやって来る。絶対に、きっと、多分、……ひょっとしたら。

 いくつもの表現を並べ、表現を強める(または弱める)ことを漸層法といいます。

反復法

【例文】
・北風が街を吹き抜ける。寒い。こんなことならばコートを羽織ってこれば良かった。寒い。どうして、俺がこんな中で一時間も待ちぼうけを食らわねばならんのだ。……寒い。

 同じ言葉や似た表現を繰り返し使い、文意や感情を強める方法を反復法といいます。

列挙法

【例文】
・目の前の少女はありていに言って美しかった。しなやかな黒髪。凛とした大きな瞳。陶器のような白い肌。すっと通った鼻梁。艶かな唇。

 ある物事に対し、さまざまな語句を列挙することで、自分の意図を多面的に述べる方法を列挙法といいます。

換置法

【例文】
・私はこの街の警察官だ。言い換えれば市民を守る正義の味方だ。

 一度伝えた言葉を、別の言葉に置き換えて言い直す方法を換置法といいます。

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