変化的修辞

 修辞には比喩的修辞や強調的修辞の他にも、変化的修辞があります。それは以下に書いたものなどが挙げられます。

短叙法

【例文】
 朝早く起きる。朝食を取る。学校へ行く。授業を受ける。下校する。宿題をする。寝る。

 文をわざと短く切ることで、完結で力強い表現をする方法を短叙法といいます。

対句法

【例文】
 お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に。

 語調の似た表現を対立的に並べることによって、文章の調子を整える方法を対句法といいます。

対照法

【例文】
 彼が関東の龍と評される一方で、彼女は関西の虎と恐れられている。

 相反する二つの事柄を述べることによって、両者の違いをはっきりさせる表現方法を対照法といいます。

現在法

【例文】
 あれは昭和四十五年にあたる。広島と長崎に原爆が落とされる。その数日後、長きに及んだ戦争に幕が降りる。

 過去や未来の出来事を現在系で述べ、情景を生き生きと表現する方法を現在法といいます。

過去法

【例文】
 不況が日本を襲った。今や若者の就職難は深刻といえた。大学でも早い段階から就職活動をしなければならなかった。

 過去や完了の形を使って、各文の独立性を印象づける方法を過去法といいます。

省略法

【例文】
 目の前で爆弾が炸裂し、紅蓮の炎が顕現する。辺りは轟音と高熱に包まれ……。

 文意が不明瞭にならない程度に、語句を省略して、表現をひきしめたり、読者の想像力に働きかける方法を省略法といいます。

問答法

【例文】
 俺はこのまま黙っていていいのだろうか。いや、そんなわけはない。言うべきことは言わねばならない。

 普通の文で表現できるものを、あえて問いと答えがある形式で表現する方法を問答法といいます。

頓呼法

【例文】
 私はついに勝利した。読者諸君! 正義はあったとここに宣言しよう。

 その場にいる人間以外のものに呼びかける表現方法を頓呼法といいます。

引用法

【例文】
 とにかく頑張りたまえ。「天才は九十九パーセントの努力」という言葉があるだろう。

 有名な文章や名言を引用することで、文章に品格を持たせ、変化を与える方法を引用法といいます。

挿入法

【例文】
 私の書いた本には、といっても自費出版だが、かなりのファンがいる。

 文中に独立的な語句をはさみこんで、表現に変化をつける方法を挿入法といいます。

婉曲法・朧化法

【例文】
 片思いの相手に告白したら、これからもずっと良い友達でいようね、と返された。

 物事を遠まわしに表現することで、相手に不快感や不利益を曖昧にしてしまう方法を婉曲法・朧化法といいます。

側写法

【例文】
・少年の成績は下の方から数えたほうが早かった。
・そのマラソン選手は、他の選手の背中を見るのが嫌いだった。

 伝えたい対象を正面からとりあげるのではなく、視点を変えて別の側面から描く方法を側写法といいます。

不板法・反照法

 ストーリーの最初と最後とで、同じような文をくり返す方法を不板法・反照法といいます。

頭韻

【例文】
・柿食えば、鐘が鳴るなり、法隆寺。
・滝の音は絶えて久しくなりぬれど、名こそ流れてなほ聞えけれ。

 連続する単語が同じ音の子音または文字で始まるものを頭韻といいます。

脚韻

【例文】
 君に会いたい。そばにいたい。触れてしまいたい。この気持ちは、もう隠しきれない。

 連続する単語が同じ音の子音または文字で終わるものを脚韻といいます。日本語では、文末が同じ音になるのは珍しくないので修辞ではないという説もあります。

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