シンデレラ曲線

 シンデレラ曲線という考え方は、アメリカの作家カート・ヴォネガットによる命名です。
 下の図を見てください。
 X座標は物語の時間軸を表しています。
 Y座標は主人公の感情の起伏を表しています。主人公が幸せを感じている場面はプラスで、不幸を感じている場合はマイナスです。
シンデレラ曲線

 シンデレラ曲線は、物語の基本形となる演出方法を図化したものです。
 では、実際にシンデレラ曲線に『シンデレラ』の物語を当てはめてみましょう。
 図の中にある点A~Bは、それぞれ『シンデレラ』の中で起きる象徴的な出来事を意味しています。
 点Aは、物語の始まりです。物語の始まったばかりの頃のシンデレラはいじわるな継母や姉にこき使われています。なので、主人公の感情の起伏というレベルではマイナスです。
 点Bは、シンデレラ以外のメンバーがお城の舞踏会に誘われた場面です。シンデレラは継母からお前は舞踏会に来てはならないと命令されます。これにより、シンデレラは更に不幸な気分を味わいます。
 しかし、点Bから点Cの間には魔法使いが現れ、魔法の力でお城に行けるようになります。だから、点Bから点Cにかけてはグラフが上向きなのです。そして、点Cでは、ついにお城の王子様にダンスを誘われます。ここでシンデレラは物語の中において、初めて幸せを味わいます。
 ところが、幸せは長くは続きません。魔法は十二時の鐘と共に解けてしまうからです。十二時の鐘の音が終わる前にお城を脱したシンデレラは、再び継母と姉にこき使われる日常に戻されます。これが点Dです。このときのシンデレラはさぞ不幸な気分を味わっていたでしょう。
 最後に点Dから点Eにかけてを見てみましょう。シンデレラは最後にお城に残してきたガラスの靴の所有者が自分だと証明して王子様と結婚します。不幸な状態が一転して、王子様との結婚というハッピーエンドに向かうのです。なので、点Eは最高の幸せを意味しています。

シンデレラ曲線は万能か?

 もちろん、すべての物語がシンデレラ曲線に当てはまるわけではありません。物語の始まりにおいて別段不幸ではない主人公もいますし、バッドエンドの物語だって存在します。
 シンデレラ曲線はあくまで基本形であって、応用形も存在しうることを忘れてはいけません。
 しかし、私が見る限り、ライトノベルでは割とシンデレラ曲線に忠実な物語が多いような気がします。それが良いことか悪いことかは判然としませんが、それだけ読者がシンデレラ曲線に沿った物語を求めているということなのだと思います。

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