物語の構造

 以下の項目①~⑨のような流れで展開する話があったとします。

【項目】
① 主人公がいつもと変わらない日常を送っていた
② 主人公がヒロインに誘われて非日常の世界に巻き込まれる
③ 主人公は非日常の世界で第一の困難と遭遇するが返り討ちにされる
④ 主人公は返り討ちにあった相手を乗り越える
⑤ 主人公とヒロインの中が親密になる
⑥ ヒロインが悪漢によって窮地に立たされる
⑦ 主人公が絶望を乗り越え、勇気を振り絞る
⑧ 主人公が敵対する相手に勝利する
⑨ 主人公とヒロインの距離が一気に縮まる

 このような話は、どこかのライトノベルで見たことがあるのではないでしょうか。
 実際、私はとあるライトノベルを元に、①~⑨の項目を書きました。どの作品を使って書いたのかはここでは伏せておきます。
 なぜ、抽象的なことしか書かれていない①~⑨の項目が、何かの物語とダブってみえるのか。それは、①~⑨の項目が物語の構造を抽出しているからです。
 民俗学者ウラジーミル・プロップによれば、物語には「文法」に似た一定の規則性や構造があるといいます。
 例えば、次の例文を比較してみましょう。

【例文】
① 少年が勇者から聖剣を託された。少年は聖剣で魔王を倒した。
② 少女は相手の嘘がわかるようになる指輪を拾った。少女は指輪の力で教師の不祥事を見抜き、告発した。

 例文①と②は、表面だけ見れば別のことを語っているように思えます。少年と少女、聖剣と指輪、魔王と教師などの違いがあり世界観が一緒とは思えません。
 しかし、一歩引いた目で分析した場合はどうでしょう。例文①も②も「主人公がアイテムを手に入れて、そのアイテムで敵と戦う」という意味では一緒と言えそうです。
 つまり、例文①と②では物語の構造が一緒なのです。
 ストーリーを作る上で、すでにある優れた作品の構造を分析し、何が読者に面白さを提供しているかを見つけるのは有効な方法です。私も実際に、構造①~⑨を用いて長編小説を書いたことがあります。『空気の王に君は成れ』という話です。
 他者の作品を直接マネするのは盗作という許されない行為ですが、一度、咀嚼するなり分析するなりして自分のものにすれば、それは立派な自分の技術です。優れた作品を紐解き、どんどん自分の力にしていきましょう。

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