生物―心理―社会モデル

 生物―心理―社会モデルは、元々は精神医学の分野で用いられている考え方です。ロマンチェスター大学の精神科医であったG.エンゲルが提唱しました。
 生物―心理―社会モデルでは、人間は「生物的要因」「心理的要因」「社会的要因」からなり、それぞれは影響し合あっているとされます。
 この考え方を、世界観を作るのに応用しようというのが今回の話です。

身体と心と社会は切り離して考えられない

 例えば、物語の登場人物が不老不死の存在だったとしましょう。永遠に老いることもなければ、怪我をしてもすぐに肉体は再生される。そんな人物を、老いもするし怪我もする普通の人間と同じ心理描写ができるでしょうか?
 答えは言わずもがなノーです。
 不老不死なのだから、身に降りかかる危険に関しては普通の人間より鈍感になるでしょうし、「自分は人間を超越した存在だ!」と傲慢な考え方をするかもしれません。
 つまり、不老不死であるという「生物的要因」が、態度や思考といった「心理的要因」に影響を与えているのです。
 あるいは、登場人物が戦争の絶えない世界に生きていたとしましょう。そのような安全の保証されない世界では、自然と考え方はシビアになるでしょう。あるいは、戦争のせいで食糧難に陥っていれば、肥満体の人間なんて数えるほどしかいなくなります。つまり、戦争という「社会的要因」が、「心理的要因」や「生物的要因」に影響を与えているのです。
 または、一つの社会的要因が別の社会的要因に影響を当たる場合だってありえます。例えば、ファンタジーの世界で誰でも魔法で瞬間移動できたとします。そんな世界なら自動車や航空機の技術は発達する可能性はないに等しいです。なにしろ、自動車や航空機がなくとも、瞬間移動の魔法によって「移動する」という手段が達成できるわけですから。
 世界観を作る上では、一つの設定が、他の設定にどのように関わり、影響を与えるがを注意深く考える必要があります。それをしなければ、矛盾した世界が出来上がってしまい、読者にリアリティを与えることができなくなってしまいます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする