一般システム理論で考える

 一般システム理論とは、L.ベルタランフィらによってメイシー会議の議論の中で提唱された科学理論です。この理論は、哲学や自然科学、社会科学など幅広い分野で応用されています。
 システムとは、「規則性のある相互作用を行うか、あるいは相互依存の関係作用を行うか、あるいは相互依存の関係をもちながら統一された全体性を形成している物事の集団」と定義されます。
 今回の話は、一般システム理論を使用して、世界観の設定を作ってみようという試みです。
 例えば、作品の中に何かの組織(独裁者と戦うレジスタンス、悪の秘密結社など)を登場させたいとします。
 世界観の詳細を鮮明にしたり、あるいは世界観を膨らませるのに一般システム理論は役に立つというのが私の意見です。
 ここでは悪の秘密結社を例にとって考えていきましょう。

下位システムについて考えると詳細が鮮明になる

「悪の秘密結社が存在する」という設定があっても、その秘密結社が具体的にどんな組織構造をしているのかわからないと、読者としてはイメージが膨らみません。神は細部に宿るものです。「悪の秘密結社」についての詳細は決めておいた方がいいでしょう。
 ここで一般システム理論における「下位システム」という考え方が役に立ちます。
 下位システムとは、要するにシステムを構成する小さなシステムのことです。例えば、エンジンというシステムを動かすためには、点火装置や燃料噴射装置などが必要になりますよね? この場合、点火装置や燃料噴射装置がエンジンに対する下位システムになるわけです。
「悪の秘密結社」というと仰々しい雰囲気が漂いますが、組織である以上はおそらくある程度のセクションに分かれていても不思議ではありません。例えば、「情報収集部隊」「計画立案部隊」「実行部隊」「機材整備部隊」などです。それらのシステムを作るシステムこそ下位システムです。また、下位システムの中に更に下位システムが存在させることも可能です。例えば、「実行部隊」の中に「歩兵班」「戦車班」「特殊工作班」などを設定する場合がそれです。
下位システム

上位システムについて考えると世界観が膨らむ

「悪の秘密結社」を倒せば、主人公の戦いは終わりになるでしょうか? 終わりになる場合もありますし、更なる巨悪と戦う場合もあります。
 もし、更なる巨悪と戦う場合は、それまでの世界観を膨らませる必要があります。要するに黒幕的な存在が必要となるのです。
 黒幕的な組織を作る際に役立つのが上位システムという考え方です。上位システムとは、システムを包括する更に大きなシステムを意味します。例えば、自動車のエンジンがあったとして、それは自動車という大きなシステムの一部なわけです。この場合、「自動車はエンジンの上位システムである」ということができます。
 先ほどの「悪の秘密結社」が一つの国を意のままに操ろうとしていたとしましょう。しかし、その「悪の秘密結社」が地球征服を目論む「上位組織」の一部だったとしたら? この場合、主人公たちは「上位組織」との戦いが待っているでしょう。あるいは、「上位組織」を倒しても、更なる敵である「超上位組織」が待っているかもしれません。「超上位組織」の宇宙征服を目論む連中なんていう設定も考えられます。
上位システム

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