ギフテッドな僕ら/第2話

~アメリカンドッグはもういいです~


 土曜日。ローザさんとの待ち合わせ時刻である十一時の三十分前。
 事前にローザさんと決めた待ち合わせ場所に、僕はいなかった。待ち合わせ場所は、駅舎を出てすぐのところにあるモニュメントの前。四角柱が捻れたような形状の前衛的なモニュメントだった。
 モニュメントから十メートルほど離れたところにあるコンビニに僕はいた。窓際の雑誌コーナーで立ち読みするフリをしながら、僕は外の様子を観察していた。
 僕とローザさんはまだ、お互いの顔を知らない。
 事前にどんな服装で来るかだけ示し合わせての待ち合わせだ。
 本日のローザさんの外見的特徴は、白のワンピースにピンクのカーディガン。髪は軽く脱色した茶色のロングで来るそうだ。
 格好だけを想像すると、大人しそうな印象を与えてくる。
 しかし、中身は十中八九虎目さん。個人的には虎目さんにはハードロックな衣装が似合う気がする。
 とはいえ、まだローザさんが虎目さんである可能性が限りなく高いだけに過ぎない。万が一、億が一にもローザさんが虎目さんでない場合もありうる。
 だから僕も、一応はローザさんに伝えた服装をまとっている。ボトムはグレーのジーンズ、上は黒のカットソー。それだけでは特徴に欠けるので、胸元には羽の形を模したアクセサリーをつけている。
 モニュメントの前に現れた少女が虎目さんでないなら、なに食わぬ顔で少女と合流。もしも虎目さんならば戦略的撤退。
 幸いにして、僕はネット上でローザさんとケータイの番号とアドレスの交換をしている。
 ローザさんが虎目さんだった場合にはドタキャンを装ったメールを送ればいい。せっかく来てくれた虎目さんには悪いが、僕はまだ死にたくない。
 待ち合わせ時刻の五分前になって、運命の少女はモニュメントの前に現れた。
 白のワンピースにピンクのカーディガン。風になびくロングの髪は脱色したであろう茶色。
 少女を見た瞬間、僕は思わずその可憐さに惚けてしまった。
 少女の凛とした眼差しはどこまでも遠くを見据えていた。唇は艶やかで夢魔の妖しさ。身長は一六〇後半で、モデルのような体型。
 コンクリートで舗装された大地の上に、一輪のバラが咲き誇る。
 行き交う人々は男性のみならず、女性でさえも少女を一瞥せずにはいられない。
 だからこそ、残念だった。
 どんなに華麗であっても、そこにいた美少女は虎目茨その人だったのだから。
 ここにローザさんは虎目茨であるという等式の証明がなされてしまった。
 運命の残酷さに僕は天を呪った。
 僕は風の中の麗人に手を出してはいけない。
『実は待ち合わせの相手は飯豊悠司でした』と真実を明かすことはできなくはない。もちろん、その際には虎目さんから多大なお叱りを受けるだろう。
 だけど、今の虎目さんの美しさは、そんなリスクに見合うだけの価値がある。
 これだと僕がまるでナンパ男みたいだ。けれど、軽薄だなんていう謗りと虎目さんを天秤にかければ、いとも容易く虎目さんの側に傾く。
 しかし、僕は虎目さんには声をかけられない。否、声をかけてはいけない。
 まだ見ぬ待ち合わせの相手を待つ虎目さんの微笑みは、凪の水面のように穏やかだ。
 学校で見かける陰惨で獰猛な肉食獣の笑みとは一線を画している。
 僕が出ていけば、虎目さんは失望する。
 コミュ障の僕は学校ではいつも一人。そんなスクールカーストで底辺の人間とは、一緒に街を巡りたくはなかろう。
 だから、僕はケータイを取り出して虎目さんにメールを送信。
『ごめん、急用ができて今日は行けなくなった。本当にごめん』
 ――と。
 僕からのメールを受信した虎目さんの笑顔は、悲痛なまでに歪んだ。虎目さんの瞳が潤んでいるように見えたのは、僕の気のせいであって欲しい。
 さあ、早くこの場から立ち去ってくれ。
 僕の切なる願いは天に届く。
 虎目さんはケータイをしまうと駅舎の方へ消えていった。
 虎目さんがいなくなったのを確認すると、一気に安堵と疲労が押し寄せる。
 同時に周りの様子に気を配る余裕も出てきた。店内にはレジ横に置かれたホットスナックの香りが漂っている。
 一仕事をなした自分にささやかながらのご褒美をあげよう。
 僕は、ドリンクコーナーから、ブラックの缶コーヒーを一つ取ると、レジ待ちの行列に並ぶ。
 前に五人ほど並んでいるが、稼働中のレジは一つだけ。必然的に待たされることになるが、イラついても仕方があるまい。どうせ急ぎの用事があるわけでもない。
 陳列された商品を眺めながら、僕は自分の番を待つ。
 やることもなく過ごしていると、先ほどの虎目さんの様子が脳裏にちらつく。
 春の日差しのごとき朗らかさだった虎目さん。
 ドタキャンメール一つで鎮痛そうな面持ちになった虎目さん。
 どちらの顔も、クラスでは見せないものだ。
 僕はずっと、虎目茨という少女は不機嫌と怒りの間を往復するだけの存在だと思っていた。
 けれど、よくよく考えればそんなわけがない。
 虎目さんとて人の子だ。喜びもすれば、悲しみもするのは当たり前。
 僕は観察者を気取っているくせに、なにも見ていなかったんだ。
 ずいぶんと薄っぺらい洞察力だ。
 だからこそ、僕はコミュ障を脱却できないのだろう。
 レジに並んだ客が一人、また一人と会計を済ませて、僕は前に進む。
 会計を済ませたら、やはり虎目さんを追いかけようか?
 ……いやいや、そんなことをしてなんになるというのだ。
 虎目さんに謝っても取り返しがつかない。僕は彼女の期待を裏切った。
 謝ったところで虎目さんが癇癪を起こしておしまいだ。
 これから先も虎目さんは、SNSではローザとして過ごす。僕はそれを知って知らぬフリをする。
 それでいい。僕が黙っていれば、これまで通りとなにも変わらない日常が待っている。
 でも、次の月曜日は学校で虎目さんは荒れるんだろうな。僕からのメールを読んだときの落胆具合は大きそうだった。
 後ろの席である僕に八つ当たりしてきたりして。
 いや、それは八つ当たりではないのか。虎目さんが知らないだけで、悪いのは僕だ。
 だったら、彼女の不機嫌を一身に浴びるのも悪くない。
 レジが僕の番になるまであと一人。そこまで来て、ようやく休止中のレジに店員がやってくる。
「次でお待ちのお客様どうぞ」
 僕は、声に促され、隣のレジに移ろうとした。
 そんなとき、姑息なタイミングで僕の前に立つ客がいた。事実上の横入りだ。
「これお願いしまーす」
 横入りしてきたのは僕と同じくらいの年齢の少女。にもかかわらず、『最近の若者は!』とか思った僕は、すでに枯れているな。
 ここは文句の一つでも言うべき場面だろう。けれど、僕のコミュニケーション能力では、見ず知らずの人間にいきなり怒りをあらわにするなんて不可能。
 泣き寝入りせざるをえない。
 やるせなくなった僕は、レジ脇に置かれた什器に目をやる。
 中にはホットスナックが陳列されていた。その中に一本だけアメリカンドッグがあった。
 小腹も空いたし、レジの番が来たら店員さんにとってもらうように頼もう。
 とか考えていると、僕の前方で横入り少女が、
「あとアメリカンドッグもください!」
 元気ハツラツな声で注文。
「は?」
 僕のイラ立ちは頂点に達し、声を上げてしまった。
 店員と目が合う。
 気まずい。というか恥ずかしい。高校二年生にもなって食べ物ごときで腹を立てるなんて器が小さすぎる。
 横入り少女がレジを済ますまで、僕は恥ずかしさから彼女の後ろで顔を伏せていた。
 そんな僕に更に追い討ちをかけたのは店員だった。
 僕がレジに立つと店員は聞いてくる。
「あの、五分くらいかかりますが、アメリカンドッグ調理しましょうか?」
 店員のコミュニケーション能力に僕は感服する。きっとこの店員はアルバイトだ。しかし、客のニーズをつぶさにキャッチする能力は素晴らしい。
 五分? いいでしょう、待ちましょうとも。
「じゃあ、お願いします」
 どうせ僕は暇人だ。五分くらい待ってやるさ。
 というか、それぐらいの器は見せないと自分が恥ずかしくて死にたくなる。
 会計を済ますと、店員はバックヤードからアメリカンドッグの入った袋をとってくる。それを電子レンジに入れて、後はスイッチを押すだけ。
 調理というにはあまりにも味気ない。きっと僕は、アメリカンドッグという商品ではなく、店員の心配りを買ったのだ。
 業務用の電子レンジが唸るような音を立てて、中の袋を加熱する。
 レジの横でぼけっとしていても他の客の視線が気になるだけだ。
 僕は雑誌コーナーに移動。立ち読みでもしながら時間を潰すことにした。
 雑誌コーナーでは、立ち読み客がたむろしていた。本当はマンガ雑誌を読みたかったが、ガラの悪そうな若者の一団がいたので敬遠。
 しかたなしに、立ち読み客のいない場所に僕は収まる。
 僕の目にまず入ってきた雑誌は、地域情報誌だった。表紙には観光スポットを背景に笑顔を振りまく女性タレントの姿。
 僕はパラパラとページをめくる。
 中にはこの地域のお勧めグルメスポットや、レジャースポットが紹介されている。
 友達や恋人がいたなら、僕もそういう日の光の下を歩けていたに違いない。
 けれど、そんなものは僕にとっては空想の世界であり、非現実的な妄想だ。
 現実問題として僕には友達も恋人もいない。そんなものは夢物語。
 僕はコミュ障で、自分から人に話しかけることが大の苦手。そんな欠陥人間に明るく楽しい休日があるわけがない。
 自己嫌悪が胃の腑からせり上がり、僕は深い溜息を吐く。
 アメリカンドッグを買ったら帰ろう。家で引きこもっているのが僕にはお似合いだ。
 雑誌を元の位置に戻す。そろそろアメリカンドッグも出来上がる頃だろうと、僕はレジの方に身体を向ける。
 だけど、それは大きな過ちで、僕はもう少しだけ雑誌を読んでいるべきだった。
「飯豊? どうしてお前がこんなところにいるんだ?」
 僕は今まさに来店してきた客と目があった。
 客は、白いワンピースにピンクのカーディガン姿の美麗な少女。
「ど、どうして虎目さんが、ここに?」
 恐怖と驚愕のせいで僕の声が震える。
 僕の目の前にはドタキャンメールで去ったはずの虎目茨が立っていた。
「おいおいどうした。まるで幽霊でも会ったみたいに顔が青いぜ?」
 虎目さんは不審者を見る目で、僕に指摘してくる。
 虎目さんが戻ってきた事情はわからない。質問したい気持ちで胸が張り裂けそうだが、まず我が身の安全を確保せねば。
「僕はせっかくの休日だから、一人街をふらつこうかと」
 言いながら、僕は自分の言葉を吟味する。
 特に怪しいことは言っていないはず。大丈夫、余計なことさえ口走らなければ足元をすくわれることはない。
「虎目さんこそ、どうして今日はここに?」
 これ以上、虎目さんに僕がここにいる理由を追求されるのは危険だ。僕は話題を転換させるべく、虎目さんに聞いた。
「オレはさ、今日はここら辺で知り合いと遊ぶ予定だったなよ。なのに、待ち合わせ時刻のちょっと前に、いきなり来れなくなったってメールがきやがった。ふざけるなって話だよな」
 不快げに顔を歪ませる虎目さん。
「へえ、それは災難だったね」
「んで、いったんは帰ろうかと駅に戻ったんだけど、やっぱりこのまま帰るのは癪じゃん。だから、ちょっと遊んでパーっとストレスを解消するのもありかと思ったわけよ。にしても、本当に腹が立つ。どうしてドタキャンなんてするかな。お前も、そんなやつ許せないよな?」
 なぜか虎目さんは僕に同意を求めてくる。
 ドタキャンした当人は僕自身。しかし、そんなことは口が裂けても言えやしない。
「そうだね。女の子を遊びに誘っておいて当日に来れないなんて、男の風上にもおけないね」
 ――と。
 僕は無難に返答した。
 自分では無難な返答のつもりだった。
 ところがだ――。
「どうしてお前は、オレが会おうとしてた相手が男だと知ってるんだ?」
 虎目さんはうろんげに顔をしかめる。
 彼女の表情の変容に、ようやく僕は自分の失言に気づく。
 虎目さんはあくまで、待ち合わせの相手を『知り合い』としか言っていない。にもかかわらず、僕はそいつを『男の風上にもおけない』と評した。
 やっちまった。
 語るに落ちるとはまさにこのこと。
「いや、なんというか、それは言葉のあやというか、男女平等の社会においては女性にも使っていい表現なんじゃないかなあと、僕は思うわけで、いやはや……」
 パニックを起こした僕は、どうにか取り繕おうと言葉を並べ立てる。しかし、下手な誤魔化しの言葉はどこにも収束しない。
「というかさ、その相手さあ、今日はグレーのデニムに、黒のカットソー着てくる予定だったんだ。後、胸元には羽型のアクセサリーをつけてくるとも書いてたな」
 虎目さんは、僕の全身を、舐めるように観察。
 マズイ。マズイ。マズイ!
「それはすごい偶然だね」
 逃げなきゃバレる。死ぬ。殺される。
 僕の脳内で空襲警報が鳴り響く。
 けど、どうやって逃げる?
 僕の前方は虎目さんによって塞がれている。
 というか、ここで逃げたらアメリカンドッグを調理してくれている店員に悪いな。……なんて、悠長に配慮しているような状況ではないか。
 虎目さんの目は、すでに僕を人間とみなしていない様子だ。まるでウジ虫でも見るかのように冷たい。
 真実を吐かせるためなら、彼女はきっと非人道的な手段も厭わないに違いない。
 具体的には拷問とか、拷問とか、拷問とか――。
 生爪を剥ぎ、指を一本一本切り落とされても不思議ではない。
 いやいや待て、虎目さんは日本人だ。日本人ならな基本的人権の尊重が憲法に謳われているのを知っているはず。よって、虎目さんは僕に拷問などしないはずである。
 ……ダメだ。そんな頭でっかちな理論武装は気休めにもならない。
 虎目さんは、戦争放棄を放棄してもおかしくないバーサーカー。平和の象徴である鳩ですらソテーにしかねない肉食系女子。
 僕が奥歯をガタガタ震わせていると、虎目さんはついに行動を起こす。
 彼女はカーディガンのポケットから自身のスマートフォンを取り出した。
 僕は虎目さんの行動の意味するところが理解できない。
 どうしてスマートフォン?
 寡聞にして僕はスマートフォンを使った拷問方法など知らない。拷問の世界にもIT化の波が訪れたのだろうか。
 虎目さんは、スマートフォンを手短に操作すると、自身の耳元にあてた。
 ……僕の予測を大きく裏切り、虎目さんは単に通話しただけ。
 けれど僕にみなぎる緊張感は微塵も抜けない。
 通話先が、拷問吏の知り合いではないとどうして言い切れよう。
 僕の考えが半狂乱で倒錯した内容のなは自覚している。けれど、あまりに恐ろしすぎて、おバカなことで頭を満たしていないと全狂乱に陥りそうだ。
 そんな中、デニムのポケットに入れていた僕のケータイが鳴り響く。着信音はデフォルトの黒電話。
 誰だろうとディスプレイを確認。
 そこにあったのは『ローザさん』の文字。
 今度こそ、僕は卒倒しかけた。
 えっとつまりアレですか。現在、虎目さんは僕……というか、今日会うはずだった相手に電話している、と?
 現在の店内のBGMはまったりとしたジャズ音楽。そんな中でウザいくらいに自己主張する僕のケータイ。
「どうした飯豊。さっさとケータイに出ろよ」
 虎目さんの瞳の中には、紅蓮色の殺意が渦巻いていた。
 残念、僕の人生はここで終わってしまった!
 極寒の地に放り込まれたかのように震えた手で、僕は通話ボタンを押した。
 ケータイを耳元にあてると、
『もしもし、電話でははじめまして。ローザです』
 蒼天の朗らかさのローザさんの声。しかし僕にはそれが死神の呼び声に聞こえた。
 声は通話先と、目の前から二重で聞こえていた。
 僕がなにも答えられないでいると、電話の向こうからは、
『もしもーし、聞こえてますか? 聞こえてたら返事をしてくださーい』
 残虐な声が僕の鼓膜を蹂躙する。
 しかも、その声は目の前の虎目さんからも聞こえてくるわけで。
 その恐怖たるや二倍どころの騒ぎではない。二乗だ。時間をx軸、恐怖の量をy軸としたとき、僕にのしかかる恐怖は等加速度運動もかくやという勢いで増していく。
「も、もしもし、聞こえてますよ」
 いつまでも黙っているわけにもいかず、僕はついに沈黙を破った。
『どうも、お忙しい中もうしわけありません。今日は一緒に遊べなくて残念でした』
 ローザさんは、やはり明るく歯切れがいい。でも、目の前の虎目さんは僕を石化させんばかりの目で睨みつけている。
 これがスマートフォンを使った拷問か。いはやは恐れ入った。本当は怖いスマートフォン。
 いや、真に恐るるべきは虎目茨という少女だ。
「いえいえ、こちらこそ、急にキャンセルしてしまって、なんとお詫びしてよいやら」
 僕は慎重に言葉を選ぶ。
『お詫びだなんて、そんな。でも、一つわがままを聞いてもらえるなら、私、ずっと前から気になってたケーキ屋さんがあるんですよ。今度お会いできたら、連れて行ってもらえませんか? もちろんアナタの奢りで』
 スイーツ(笑) ……って、笑えねえ!
「それで勘弁してもらえるなら安いものですよ。ハハハハハ……」
 僕は乾いた声を上げるが、言っていることは偽りなき真実。スイーツを奢る程度で命が助かるなら安いものだ。だって命はプライスレス。
『わーい、ありがとうございます。じゃあ、またいずれお会いしましょうね』
 と言って、ローザさんは電話を切った。それと同時に虎目さんはスマートフォンをしまう。
 そして言うのだ。
「というわけだ。ケーキ屋さんまでツラ貸せや」
 ローザという名の可憐な少女は、すでにこの世のどこにもいなかった。
「お手柔らかにお願いします」
 僕は頭を垂れて、粛々と虎目さんの背を追った。
 店員さん、ごめんなさい。アメリカンドッグはもういいです。

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